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◇このページは、ひきこもりの本人や家族に向けて、月例会でお話ししていただいたり、メールなどで寄せられたみなさんの応援のメッセージを掲載しています。応援メッセージは、<お問い合わせ>のページからお寄せください。
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「自分ひとりじゃない」……ほっとつながる家族会へ
KHJ全国ひきこもり家族会連合会(以下、KHJ)は、 現在、40都道府県54地域に会があるひきこもり当事者家族会の全国ネットワークです。 町田家族会は町田市に2016年に発足されました。
KHJが発足した1999年当時、ひきこもりといえば、「本人の甘え」 「親の甘やかし」と言われていました。家族は世間の目を恐れ、相談することにも引け目や負い目を感じ、 家族で身を隠しながらひっそり息を潜めて暮らしている家族がほとんどでした。
そこから、全国で現状と実態の声を社会に届け始めて20年、現在でも「ひきこもり」への社会的偏見は解消されたとは言えません。 KHJが全国でつながる意味は、家族や本人がこの偏見から解き放たれ、安心と希望を持って生きられる社会をめざすために、つながることです。
特に長期高年齢化した子どもを抱える家族の場合、将来への不安や悲観、絶望感を感じ、家族の方がうつ状態や不安症を呈していることもあります。KHJの昨年度の調査では、うつ病の可能性のある親御さんが20.6%、不安症の可能性のある家族が33.3%でした。
家族の不安は、家族同士で伝わり合います。家族の不安と、本人の不安は連動し、現状を否定すればするほど、親も本人も自責感、自己否定感を募らせる悪循環が生じる場合も少なくありません。
家族会は、まず家族が安心感を得ていく場です。
本人に唯一接触できる家族の困難度を減らすと同時に、家族自身が生きる意欲を持ち続けること。それが結果的に安定した家族関係を作り、本人の生きる意欲の回復につながっています。
何も言わなくても、気持ちをおろせる「場」。言いたいときは、遠慮なく本音を言える「仲間」や「出会い」。親子の価値観の違いに気づき、多様な生き方を学べる「機会」。
生きることの学びや、気づきや、楽しむ場が家族会です。
KHJの創設者奥山さんは、「家族は、家のことなんか気にしないで、お茶しなきゃだめだよ」 と言っていました。子どものことばかり見て苦しんでいた自分に気づいて、自分の楽しみを見つけながら、楽になっていった親御さん、子どものおかげで、自分自身が成長することができたという親御さんも、全国に多くいらっしゃいます。
「家族会という知らない場所を最初に訪れるのは勇気がいった。でも訪れてみて、こうして苦しんでいるのは自分だけじゃない、ひとりじゃなかった、ということがわかっただけで、安心した」
家族会を安心(ホット)ステーションとして現在も参加している方は、全国で3000家族以上。
もし、会への参加を迷っている方がいらっしゃったら、ぜひ一度お試しで足を運んでみてくださればうれしいです。町田家族会では、親御さん向けの月例会と、ご本人向けの居場所を月1回開いています。初めての方でもウェルカムの雰囲気がとてもあたたかい場所です。
支援に携わるみなさまも、家族会に参加される機会がありましたら、ぜひ本人や家族の声に耳を傾けてもらえたらと思います。今、求められているもの、ニーズを、家族会から学んでいただく機会となれば幸いです。
このホームページに訪れた人が、いろんな情報を得て、何かとつながっていける場になりますように。町田家族会の未来の一歩一歩を心から応援しています。
2018年7月13日
特定非営利活動法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会
本部事務局長 上田 理香